スタッフブログ

ハコラム-HA column-12月号vol.3

Written by オオハラ
もう年末ですね。僕にとっては、クリスマス、お正月と来るのを心待ちに、一年で最もウキウキした気分になる時期です。
ディズニー好きの私としては夢の国に出張に行くシーズンでもあります。
おそらく皆様にとっては年末の忘年会、年が明けたら新年会と忙しさに比例して自身の健康管理はおろそかになりやすい時期かと思います。
今回はメンテナンスについてより踏み込んだ内容で理解をすすめていきましょう。

FEATURE3 メンテに通う≠歯を守れる

周知のこととは思いますが坂田歯科医院は「予防」に力を入れており、メンテナンスを推奨しています。
第1号では『健康を維持するために自発的に予防に取り組む』ことが大事とお伝えしました。
「自発的にって歯科に来た時点で十分自発的じゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
では具体的にどういうことなのか?実はただメンテナンスに来ていればいいというものでもありません。

一部患者さんには非常にショックなことかもしれませんが、メンテナンスと称して定期的にクリーニングに歯医者に通うことはあまり意味がありません。
メンテナンスで重要なことは歯ブラシで落とせない歯石を取ることではなく(それも必要なことなのですが)、
健康を維持する手入れができているかどうか(ホームケア)」を見ることが最も重要です。

 例えば、定期的に歯石を取りに来て、その前の日だけちょっと歯ブラシ頑張って普段使わないフロスを使ったりして、いつも家では歯ブラシを適当に済ませているという人は残念ながら健康を維持することは難しいでしょう。
だからといってただひたすら歯ブラシを頑張っても効果はあまり期待できません。
まずはご自身のことを良く知ることから始めましょう。
生活習慣から健康を意識し、さらにむし歯・歯周病のなりやすい部位や状態を把握します。磨き癖で苦手な部位を意識的に磨くことも大切です。

これらのことはすべて、ご自身が責任を持って行うことです。
自発的にホームケアをどうやってより良くなるかを考え、努力するべきです。
その患者さんが行う努力をサポートしていくのがメンテナンスです。
努力を放棄し、ただ定期的に「お掃除」することを残念ながらメンテナンスとは呼びません。

体の持ち主は他ならぬご自身なのですから自分がやるしかないのです。
健康は、自ら強く望み、高い意識で自発的に行動しなければ手に入りません。
そうやって得た知識は習慣に反映され、例え来院ができない状況であったとしてもホームケアが根付いていればそう大きな問題は起きません。
もしも今までそういったことを考えていなかった方、ただただクリーニングに来ていた方は考えを改める必要があります。
なぜなら、本来歯科医院は
歯を削られる場所ではなく、守ることを学ぶ場所であるべきだからです。

むし歯や歯周病などの病気のプロセスは、ここからが病気とはっきりしたものではなくグラデーションのように移行的なものです。
レントゲンや症状がないからといって病気になっていないわけではなく、水面下で進んでいてある臨界点を超えた時に一般に病気として認識されています。
私たちは病気として認識される前の状態(いわゆる未病の状態)を様々な検査データや診査で評価して、
患者さんが来院した際水面下で起きている「現在」を予測し、健康を維持するのに必要なことを導き出します。
はっきり言って病気になって治療するよりもはるかに膨大な知識や経験が必要になり、とても難しいです。

とても難しいことだからこそ、患者さん一人一人が自分の健康に責任を持ち、知識をつけ、自らの健康の一医療者として向き合っていく姿勢がとても大切です。
ご自身の健康を自分自身で守っていかなければ誰も守ってはくれません。
なぜなら私たちにできることは患者さんが来院された時に
「治療」することしかできないからです。

歯を白くしたい、咬めるようになりたい、目先の目標は違うとしてもおそらく皆さんの目的は同じだと思います。
「今ある歯を死ぬまで健康に維持する」歯を失いたい人などいないでしょう。

『予防』は家でやるもの。
私たちは病気が表に出る前の状態を『治療』をしているのです。

皆さん、『予防』を始めましょう。

※今回の話をより詳しく知りたい方はこの記事をご覧ください。
デンタルハイジーン 11月号
『歯を守れるメインテナンスと守れないメインテナンス』