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ハコラム-HA column-vol.4   

年が明け、もう1カ月以上経ちました。光陰矢のごとしとはよく言ったものです。
誰かが「年齢を重ねるにつれて一年を感じるスピードは20歳だったら1/20、60歳だったら1/60になる」と言っていました。怖いですね。
またある人は「人生50歳が折り返し地点で50を過ぎたら若くなっていくの」と言っていました。つまり、55歳の時は『45歳』75歳の時は『25歳』と言うそうです。
それいいなと思いましたが、では100歳越えたら・・・?
また折り返すのでしょうね(笑)

FEATURE4 予防は誰の責任か

さて、前回は予防の在り方について書きました。
著名な先生方も「予防は患者さん自身が行うものだ」としています。
それについては私もそう思います。
しかし、「予防をしていないのは患者さんの責任だ」と言う人も出てきました。
では予防を行わず、歯を失ってしまった人は自業自得なのでしょうか。
確かに、歯がぼろぼろになっても歯医者に行かず、歯磨きも全くしないで過ごしている方は
「失うべくして失った」と自分でもわかっているでしょうし、自業自得なのかもしれません。

しかし、最近ではそのような方を見かける機会はほとんどなくなりました。
実は日本は世界でも指折りの歯磨き大国です。国の調査によると、毎日歯磨きをすると答えた人は95%!
その中で2回以上磨く人は70%以上いるそうです。
さらに、「皆保険制度」のおかげで皆同じ値段で安く医療を受けられるので、むし歯になったことがない人は除いて、一度も歯医者さんに行ったことがない人はいないと思います。
それなのにおかしなことに、むし歯や歯周病で歯を失う日本人の数は戦後からあまり変わっていません。なぜでしょう?

それは本当に患者さん一人一人の責任問題なのでしょうか?
そうではないと思います。
当院に定期通院している方で誰もが一度は必ず聞いたことがある質問をここに来たことがない方に質問してみてください。
『フッ素を使ってますか』と。

その質問で、正しい使い方を理解している人が何人いるでしょうか。
おそらく10人に1人くらいなのではないでしょうか。

むし歯の予防においてこれほど身近で費用対効果があるものは他にありません。
誰しも歯医者に行ったことがあるのにこれだけの人が知らない現状を前に、
患者さんの責任だ、と言えるでしょうか?

勿論、患者さんも責任の一端を担っていることは確かです。
しかし、「知っててやってない」のと「知らないでやってない」のでは重みが違ってきます。患者さんによくお話しするのですが、正しい知識をつけ、
どうしたら健康を維持できるか知ることがここでは重要だと思っています。

知らないでやっていない人にはその人は教えてくれる人ができるまで知らないままです。当院に来院されたら知るチャンスは大いにあります。
しかし、すべての歯科医院が歯の守り方を教えてくれるわけではありません。
そこで、正しい歯の守り方が備わった皆さんが周りの方にそれとなく、
うんちくを語るように鼻高々に広めてください。

本来であれば、医療行為の中に歯の守り方の知識を提供するべきだと、
ここに来る多くの方が感じていらっしゃると思います。
しかし、前述の皆保険制度には今のところ『治療』の給付が大部分を占めます。
その点は他の先進国から見ても、「また鎖国してたの?」
というほど遅れをとっています。
 
歯の守り方を知らない患者さんがいる事は、
「国」の制度の責任でもあり、医療の給付にあたっている私達「医療従事者」
の責任でもあります。皮肉にも患者さんの責任だと言っている先生は、
医療従事者として歯を守ることを教える責任を放棄しているとも考えられます。

過去「こんなにむし歯にして!!」と歯医者さんに怒られた方は安心してください。
知らなかったことが問題であって、責任はその先生にもあります。

フッ素の正しい使い方

①適量の歯磨き粉で歯を磨く
②うがいは手で少量水をすくい
③全体に浸透するように、ぐじゅぐじゅうがい
④うがいは1回のみ。できればうがいしない
30分は何も口に入れない
⑥高リスクの人はフッ素洗口剤を使用する
⑦1日2回行う

ハコラム

ポイントは太字です。簡単ですよね?
是非マスターしてください。